刃先の精度が合わない(刃先精度不良の疑い)

現象

・基準杭（ベンチマーク）の座標値と刃先が取得する座標値を比較した時、ベンチマーク座標から値が大きくずれる。

・刃先の取得精度の許容値は、ベンチマーク座標に対し±50mmとなります。

回答

現在のお困りごとはどのタイミングで起きているか下記を参考に記事をスクロールしてください。

「共通の確認事項」を参考にしていただきながら、各出来事に応じた内容をご覧ください。

・現場搬入直後・現場移動・関連切替直後の出来事→1.を参考にください
・連続して通常通り使用中の出来事→2.を参考にください
・キャリブレーション実施時の出来事→3.を参考にください

共通の確認事項

要因	対応
・刃先の計測位置は適切か
刃先の計測位置を間違えている	[水平方向の精度に影響(規則)] ・実際に計測している刃先の位置(左、真ん中、右)と画面で設定している刃先の位置(左、真ん中、右)を合わせて確認する 確認に使用するコントロールポイント内の座標値が正しいか・選択ミスがないか確認する [バケットアイコンをタップ]→[コントロールポイントより選択]→[バケット刃先一L/M/Rの確認]→差分値をチェック

・衛星捕捉環境が確保されているか
GNSSアンテナの上空を遮るものはないか	[水平、高さの全方向の精度に影響(不規則)] ・GNSSアンテナを遮る装置等があれば遮らないようにする ・近くに高圧電線等がない場所で作業する ・林や谷などでGNSSアンテナの上空が遮られていない場所で作業する。 ＊GNSSアンテナの天空率(上空解放面積)が低いと衛星捕捉数が減少し、刃先精度が出ない場合があります。 ステータスから確認できます（緑 良好→赤 不良）

・補正情報設定は適切に設定できているか
VRS 適切なマウントポイントが選択されていない・または未設定 (Ntirp利用の場合)	[水平、高さの全方向の精度に影響(不規則)] ・適正なマウントポイントを設定する エラー表示
ベースライン距離は遠くないか (Ntrip/無線機利用の場合)	[水平、高さの全方向の精度に影響(不規則)] ・Ntrip利用の場合は、ベースライン推奨距離の10km以内で作業する [GNSS設定]→[GNSS情報] ・無線機利用の場合は、無線機の仕様に依存する。 ＊電子基準局/固定局との距離が遠くなるほど精度が安定しなくなる傾向にあります。
固定局設定および設置場所が適切でない (Ntrip/無線機利用の場合)	[水平、高さの全方向の精度に影響(不規則)] ・適切な補正情報フォーマットを設定する ・固定局の設置位置と既知点座標の入力に違いがある ・固定局の設置環境を見直す(アンテナの上空を遮るものはないか）

・データのセットは適切か(ローカライゼーションファイルの有無)
ローカライゼーションデータが適切でない	[水平、高さの全方向の精度に影響(規則)] ＊水平残差、鉛直残差が閾値内か見直す(通常だと閾値は10～30mm) 確認方法 [プロジェクトファイル]→[座標系]

1.・現場搬入直後・現場移動・関連切替直後の出来事

・キャリブレーションしたバケットを利用していない
バケットファイル未設定 バケットキャリブレーション未実施	3DMGに利用するバケットは全てキャリブレーション（データ化）する必要があります。 利用する実際のバケットに応じたバケットファイルを選択する必要があります。 バケットアイコンをクリック→バケットファイル設定
カプラ(Aロック、Bロック)を装着している	キャリブレーションはカプラを含んだ計測が必要です。 キャリブレーションの結果を見て計測値が合っているか確認してください。 バケットアイコンをクリック→選択中のバケットの編集アイコンをクリック

・固定局の設定位置と設定の違いや3DMG側の受信設定の不備
固定局設定の設置場所を変更している	固定局設定 基準点設置の確認・固定の設定と基準点に違いがないか確認が必要です。 上記の共通事項を確認ください。 3DMG(Ntrip) 適切なマウントポイントを使用しているのか確認が必要です。 3DMG（デジタル無線機） 受信機の受信状況も含め、確認が必要です

２ ・連続して通常通り使用中の出来事

・刃先摩耗を考慮していない
当初より刃先が摩耗している	刃先が摩耗している場合、バケットデータ内のツース長の変更が必要です。 バケットアイコンをクリック→選択中のバケットの編集アイコンをクリック 擦り減ったツースの長さを変更したい【ツース長調整】

・マッチング機能解除の不備
刃先のマッチングが起動中	長期間マッチングを利用しているか確認が必要です。 マッチングを一度解除した上で刃先を確認してください。 アイコンが黄色で点灯→マッチング利用中 [バケットアイコンをタップ]→[コントロールポイントより選択]→[バケット刃先一L/M/Rの確認]→差分値をチェック オフセット内でマッチングが起動しているか

・刃先の値が安定しない
刃先確認の値にばらつきがある	刃先を静止した状態で、算出している各センサの値にばらつきがあるか確認してください。 メニュー→車体キャリブレーション設定→2D/3D精度確認 3DMGのタブレット画面内のバケット・アーム・ブームのいずれかが ぐるぐる回っている 購入先の代理店に現象をお伝えください

３・キャリブレーション実施時の出来事

・バケットリンクの長さの計測ミス
バケットリンクの実測値と入力値のミス	キャリブレーション時のリンク長さの実測と入力値に乖離がないか再確認してください。

・キャリブレーション時の各寸法と入力値のズレ
各部位の計測長さと実測値のズレ・ オフセット値にズレ	キャリブレーション時の値にズレがあることで、4姿勢計測時にバラつきがあるか確認してください。 推奨　建機を北に向けて刃先確認のポイントと4姿勢から得た値を確認 真北に向ける事が出来ない場合は他の3方位にて実施してください。 比較した値はお手元に控えてください。

この記事に関連するお問合せ

・刃先位置測定にてコントロールポイントとの差分が大きい

・X、Y、Zの各値の差分が±50mm以内でなく差分が80mm・90mmと許容値からオーバーする 

・精度が悪い場合の点検方法を教えて

・刃先精度が出ません。どのように改善したら良いですか？　

・刃先の高さが合いません。考えられる原因を教えてください。

・刃先精度の高さが合わない。

・刃先精度が悪い場合の点検方法が知りたい

・バケットの標高の合わせ方は